幾重にも侵入予防

仏像の盗難など、寺社が犯罪被害の対象となるケースが後を絶たない。参拝者を装えば、比較的容易に下見できることから、盗難を未然に防止するためには侵入しようとする者に「侵入しにくい」と感じさせることが重要だ。
今回紹介する大阪市中央区の日蓮宗薬王寺は、幾重にもわたる防犯システムで抑止効果を高め、寺を犯罪から守っている。
境内には赤外線センサーを使った外周警備システム、堂内にもパッシブ・センサー(人感センサー)や扉などの開閉を感知するマグネットセンサーを使った検知システム、防犯カメラシステムを設置した。二重、三重の警備で防犯に万全を期している。

ここまで同寺が防犯にこだわるのは、近隣で盗難被害が多発したことによる。ところが2012年6月のシステム設置以降、不審者の侵入を防ぎ、被害は無い。藤田文明住職からも「今は安心して、ゆっくり休める」と高い評価を得ているという。
同寺の防犯システムは神戸市灘区のセキュリティハウスセブネット(宮崎裕樹社長)が手掛け、施工にあたり「荘厳なお寺の雰囲気を損ねないよう、配線・配管などが見えないように心掛けた」としている。
同社は、京都市山科区のセキュリティハウス・センターが全国展開する防犯機器専門ネットワークに加盟。この全国ネットには現在、北海道から沖縄までの137社が参加し、公共施設や一般企業、寺社向けに防犯システムを提案・納入している。
問い合わせはセキュリティハウス・センター「SHネットワーク運営本部」∥075(584)6600∥まで。

(写真説明)
二重、三重の防犯態勢を取る薬王寺

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